カタカナで書くとrude(無礼な、失礼な)と同じになってしまい、耳で聞くと日本人には聞き分けが困難です。まったく違う単語ですが、大変よろしくないという点では同じなので、音声だとrudeと勘違いしやすいと思います。この金曜日からやたらとニュースに飛び交っているlewdは「下劣な、みだらな、わいせつな」などと訳される単語で、lewd conversation、lewd commentsで世間を騒がせているのは、毎度おなじみのトランプです。

すでにあちこちで報道されているので詳しくは触れませんが、トランプが11年前に出演したテレビ番組の舞台裏で「オレは有名だから女に何したって大丈夫なんだ。XXだって触れちゃうんだよ」みたいなことを自慢げに話しているビデオが公開されて大騒ぎになっているわけです。興味のある方は「trump lewd」でグーグル検索すれば、関連ニュースが山のように出てきます。

lewdとは、単なるわいせつ表現ではなくて、offensive(攻撃的、不快にさせる)という意味を含む言葉です。この場合は女性に対する侮蔑的な発言であり、セクハラ発言であるということになります。単に卑猥な言葉を叫んでみました、というわけではないので、これは政治家として決定的にまずい。しかも、メジャーなテレビ局の映像として残っているので、言い訳のしようがない。さらに似たようなlewd発言をしているラジオ番組の音声も掘り起こされ、週末のニュースはトランプのlewd 発言祭り状態です。

とはいえ、このlewd発言はいかにもトランプが言いそうなことで、今さら驚くことではありません。浮動票獲得はさらに絶望的になりましたが、トランプのコアなサポーターは一向に動じていません。トランプのlewd発言に一番右往佐生してるのは共和党の政治家です。みんな、敗色濃厚になったトランプとの政治的共倒れを避けるために必死です。また、トランプを嫌いながらも、無視できない数のトランプ支持者にそっぽを向かれたらわが身が危ないと考えてきた共和党議員にとっては、沈みゆくタイタニックから逃げ出すチャンスともいえます。

そういうわけで、金曜日からトランプ批判やトランプ不支持を表明する共和党幹部や国会議員が続出しています。なんと副大統領候補のマイク・ペンスまでがトランプを弁護できないとして週末のトランプ応援イベントへの出席をキャンセル。ひょっとして逃げ出すのでは、とも言われています。そんな中で沈黙を守っているのが、崖っぷちからの大逆転を狙って早くからトランプにかけ、相次ぐ問題発言に無理やりなトランプ弁護を続けてきたクリスティやジュリアーニ。他に行き場のない彼らがこの先どう出るかは、選挙の先行きとは別に興味深いところです。

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