問題発言の数々で地すべり的に支持を落としていたトランプが、またジリジリと支持率を上げ、接戦状態となっている大統領選挙。良くも悪くもメディアの注目を集めることにかけては誰にも負けないトランプのおかげで、最近のアメリカのニュースは、すっかり「今日のトランプ」と化しています。

そのトランプの最新の話題が「birther」。オックスフォードのウェブ辞書によると「A person who doubts the legitimacy of Barack Obama‘s presidency because of a conspiracy theory that Obama is not a natural-born US citizen.」(オバマ大統領が米国生まれではないという陰謀理論によってバラク・オバマの大統領としての正当性を疑う人)。つまりトランプのような人のことです。というか5年前にトランプがオバマの出生証明書は偽物だと言い出したときに、メディアで作られた造語です。今ではすっかり定着して、「birther theory」、「birther ism」などの使われ方もします。「birther」といえば、「トランプがでっち上げたオバマの出生疑惑」というふうに一言で理解できるわけです。当時からまともに取り合う人はほとんどいませんでしたが、トランプに賛同する保守派も一部にはいるので「birthers」と複数になる場合もあります。

米国の法律では大統領は生まれながらにしてアメリカ人 (natural-born-citizen) であることが条件 (その解釈には諸説ある) なので、アメリカ生まれかどうかということが問題になるわけです。もちろんオバマはアメリカ生まれのアメリカ人です。それを5年前から狂信的にオバマ外国出生説を唱え続けてきたトランプが、ここにきて急に「オバマはアメリカ生まれである」と言い出したのです。が、謝罪するわけではなく「最初に birther を始めたのはヒラリーで、オレは最後の仕上げをしただけ」と、お前は5歳児かっ!といいたくなるような責任転嫁。もちろん大嘘です。こういう誰がきいても大嘘だとわかることをしゃあしゃあというところがトランプです。メディアも忘れかけていたような「でっち上げ理論」を、わざわざ蒸し返したことで、今またトランプはメディアの注目を独占しています。

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